浪速風

梅雨本番の「虎が雨」

「日の本や天長地久虎が雨」(小林一茶)。季語になっている「虎が雨」は、曾我兄弟によるあだ討ちに由来する。建久4(1193)年5月28日(新暦では6月28日)の出来事である。父の敵を討ったものの亡くなった十郎祐成(すけなり)を悼んで、遊女の虎御前が流した涙が雨になったと伝えられる。

▶今日は雨の特異日とされる。東京では統計上、53%の確率で雨が降るという。他の地域でも似たり寄ったりだろう。ちょうど折り返しだが、今年は梅雨らしい梅雨に思える。天気予報は連日、雨と曇りのマークばかりで、大雨に見舞われた九州北部などではさらなる被害が心配だ。

▶一茶をもう一句。「やせ蛙まけるな一茶これにあり」。マンションに挟まれた近所の小さな田んぼでは、田植えが終わるとカエルの合唱がやかましいのだが、今年はまだ聞こえない。大阪では5年前に生物季節観測の項目からトノサマガエルが外されてしまった。身近な自然がなくなるのは寂しい。