9人が競う参院選大阪選挙区(改選数4)の裏側で、おおさか維新の会常任役員の吉村洋文大阪市長と自民党大阪府連会長の中山泰秀衆院議員=大阪4区=が場外戦を繰り広げている。市と自民府連の会合で中山氏が「前の(橋下徹)市長の時に秘書が覚醒剤で逮捕されたのか」と発言したのがきっかけだ。中山氏の勘違いだったとみられるが、吉村氏は謝罪を要求。橋下氏も「名誉毀損(めいよきそん)」と法的手段に訴え、泥沼化している。
「公式の場で全く根拠のない発言をされたことは勘違いや記憶誤りで済まされるものではありません」
参院選の序盤情勢調査の結果が「与党好調」と伝えられた24日。吉村氏が中山氏側に送った抗議文は強い批判とともに「明確かつ真摯(しんし)な謝罪」を求めていた。
中山氏は元外務副大臣で父に建設相や郵政相を歴任した正暉(まさあき)氏、祖母に日本初の女性閣僚として厚生相を務めたマサ氏を持つ自民府連のサラブレッド。吉村氏とは平成26年の衆院選大阪4区で直接対決、勝利している。弁護士としてテレビに出演して人気を集めていた橋下氏に政界進出を呼びかけた逸話もあるが、近年は大阪都構想などをめぐり対立を深めていた。
因縁の関係が再燃したのは、参院選の公示日を10日後に控えた今月12日。市幹部らが自民府連の国会議員に国家予算への要望を伝えた説明会の場だった。