急増クマ被害

人を怖がらない「新世代」が増加 「人=食べ物」と学んで襲撃か?

 だが近年、過疎化や高齢化で農耕に使われなくなった放棄地が増加。里山も手入れをする人が減って荒廃したことで、餌を探すため入り込みやすくなった。

狩猟減少が影響

 胸に白い三日月形の模様があるツキノワグマは、成獣で体長1・5メートル、体重120キロに達する。落葉広葉樹林に生息しており、食物の90%以上はドングリや柿、ヤマブドウなどの植物。アリなどの昆虫を食べることもあり、蜂蜜が大好物だ。

 音に敏感で、人の気配を感じると隠れてしまう。山歩きをする人が鈴を身に着けるのはこのためだが、最近は変化が出ている。

 クマの生態に詳しい北海道大の坪田敏男教授(野生動物医学)は「ハンターの減少などで人間の怖さを知らず、人を見ても逃げ出さない新世代のツキノワグマが、ここ10年ほどで増えている」と話す。

 人と遭遇する機会が結果的に増加。慌てて逃げ出したり大声を上げたりすると、クマは驚いて攻撃するため被害が増えることになる。

 環境省の統計によると、クマの被害による死傷者は1980~90年代は年間20~40人で横ばいだったが、2001年以降は50人以上に。100人を超える年もあり、ここ十数年で大幅に増えている。