NIE先生のなるほどコラム

その後の紅衛兵 半世紀…現代中国と向き合うために

文化大革命の及ぼした影響を追った産経新聞の企画「検証 文革半世紀」。紅衛兵世代の影響力に光をあてた
文化大革命の及ぼした影響を追った産経新聞の企画「検証 文革半世紀」。紅衛兵世代の影響力に光をあてた

 産経新聞の1、3面などに現在、「検証 文革半世紀」と題する企画記事が掲載されています。50年前の1966年から10年間にわたって中国全土で吹き荒れた「文化大革命」を検証し、毛沢東の指令で始まった政治闘争に巻き込まれ、辛酸をなめた人々の人生の光と影を追った内容です。

 文革が佳境に入ったとされる1970(昭和45)年当時、農学部の学生だった私にも断片的ながら情報は入手できました。そこで感じた疑問や危惧を思い起こしながら50年後の今、この隣国とどう向き合ったらいいのか考えてみたいと思います。

 当時、中国では「北京放送」というラジオ局が日本語で放送をしていて、私も聴いていました。勤労を賛美するような雄壮な音楽の後、お馴染(なじ)みの一節が流れてくるのです。

 「偉大なる毛主席は~」。必ず、こう始まり、中国国内の各省での農業生産が活況を呈していると続きます。その後は日替わりの話題などを流しますが、毛主席をたたえ農業生産が順調なことを伝える冒頭部分だけは不変でした。しかし中国国内の農業は生産性の極めて低い「人海戦術」に頼ったもので、干魃(かんばつ)による凶作で飢饉(ききん)が起こっているといった西側、特に米国情報を、私は政府系の仕事もこなす教授から聞いていました。

会員限定記事会員サービス詳細