男鹿半島に伊藤さんが着目したのは、日本海に飛び出た半島で、1直線上に並ぶ灯台が2つあるからだ。鵜ノ崎灯台と潮瀬崎灯台の2灯台からの光が重なるラインをたどっていけば、コンパスなど方位を指し示す道具がなくても、最短距離でたどりつける。両灯台の光は領海外からも見えるといい、伊藤さんは特異な条件を持つ男鹿半島に関し、「上陸するほうからすればありがたい地形だ」と説明する。
上陸後に休憩? 実は「五感を回復するため」
その後陸に近づくと、陸に向かって左方向奥の防波堤にある明かりを目印にして進めば、湾内に入ることができるという。
通常は船でできるだけ陸に近づいた後、工作員が泳いで岸へと向かうが、伊藤さんが今回実演したのは、湾内に入ってからどのように上陸するかという過程だ。