経済インサイド

中国から韓国企業までも逃げ出し始めた! サムスンは携帯工場をベトナムにシフト 中韓蜜月は風前の灯火に…

 これまでサムスングループは、中国を輸出向けの生産拠点に位置づけていた。だが、携帯電話でいえば、中国拠点はもはや中国市場向けだけに特化、輸出向けのメーンをベトナム拠点に譲ることになる。

 その理由は、かつては安かった人件費が高騰していることに加え、中国の地場メーカーの競争力が向上したことが大きい。サムスンの携帯電話の技術や、使用する主要部品の情報などが中国メーカーに流出している可能性も指摘されている。ベトナムへのシフトは、中国での最先端機種の生産を続ければ、その技術や部品が競合各社にも使われるようになるのを防ぐ狙いもありそうだ。

 また、ベトナムが環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加しており、米国向けの輸出拠点としてメリットも期待できるとの判断も働いたようだ。

 サムスンのベトナムシフトに、中国に進出してきたグループ企業や主要取引先も、中国からベトナムへのシフトがいっせいに始まっている。

 そのほかの財閥グループもベトナム投資に積極的だ。ロッテグループが量販店やホテル、ショッピングモールなどで、ベトナム進出を加速するほか、鉄鋼大手のポスコも既設の冷延工場のほか、亜鉛メッキ工場などをベトナムに建設する予定となっている。

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