それが今度はベトナムがサムスンにとっての携帯電話の最大の生産拠点になりつつある。2009年から生産を開始しているバクニン省の工場は、今や世界最大の携帯電話工場だ。さらにバクニン省の工場に続き、昨年タイグエン省でも同規模の携帯電話工場の稼働を始めた。最先端のスマホなども含め、先進国などへの輸出拠点と位置づけている。
日本国内でも投入されている最新スマホ「ギャラクシー7シリーズ」も、かなりの割合でベトナム製となっているもようだ。
サムスンは携帯電話だけでなく、テレビや洗濯機、冷蔵庫などの家電複合工場を、ホーチミン市に建設中だ。特にテレビは、最先端の4Kテレビである「SUHDテレビ」の生産も予定している。タイでのテレビ生産から撤退したほか、マレーシアでも大幅減産を計画し、ベトナムをテレビの主力生産拠点に育成するもようだ。このほか、サムスンのグループ会社がバクニン省にディスプレーの工場を稼働させている。
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こうした投資は、実施・計画ベースも合わせ、総額140億ドル(約1兆5000億円)に上るとされ、サムスングループがベトナムを一大生産拠点に育成しようとしている姿勢が分かる。