2年連続で人口が微増している小菅村で7月1日、廃校を活用した子育てママの仕事と交流の場「コワーキングスペース」がオープンする。母親の多くを移住者が占めるため、地元ママとの交流の場としても期待されている。村とNPO法人「多摩源流こすげ」、インターネット上で業務を受発注するクラウドソーシング大手のランサーズ(東京都渋谷区)が手がける。
コワーキングスペースは、利用者が登録すると、ホームページやブログ制作の補助の仕事などを探せる。同スペースには、パソコンが用意され、母子が遊ぶこともできる。ママ同士の交流を深め、移住者の定住を促進していく狙いだ。
コワーキングスペースが開設されるのは、廃校となった旧小菅小白沢分校。ここに拠点を置く「多摩源流こすげ」が、30畳ほどの「音楽室」を活用し、パソコン7台やプロジェクターなどを導入する。
多摩源流こすげによると、利用希望者はこれまでに8人で、今後も募集を続けるという。
7月21日からクラウドソーシングを使った仕事のやり方を学ぶ計15時間の「オンライン講座」を開始。受講者がランサーズ社に登録して仕事を受注し、報酬を得られるようにする。ランサーズ社は成約量に応じて、手数料を受け取る仕組みだ。
企画担当する多摩源流こすげの森弘行さん(35)は、「クラウドソーシングで仕事につけても自宅に引きこもっては意味がない。地域の人たちとも交流できる『新しい働き方』で定住化を促進したい。コワーキングスペースは甲府などにもあり、今後、全県に広げたい」と話す。
利用料金は来年3月まで無料。政府が村に拠出する「地方創生加速化交付金」を活用する。来年度以降は有料化の予定だが、低料金での利用を目指す。
村によると、小菅村の人口(5月末現在)は738人(343世帯)。2年前よりも10人増加している。村は「自然に恵まれた教育環境を求める家族世帯の移住が多いため」(住民課)とみている。問い合わせはNPO法人「多摩源流こすげ」(電)0428・87・7055。