福島から問う 廃棄物の重責(中)

処分場の用地取得は2% 「中間貯蔵は30年」の約束は果たせるのか

 「最後は金目でしょ」。中間貯蔵施設の用地取得交渉では、当時の石原伸晃環境相がこう発言し、地権者の不信を招いた。そもそも地権者が誰なのか、把握することすら困難な状況に国は直面し、時間ばかりが過ぎていく。

 施設建設予定地の地権者は2365人いる。このうち、死亡するなどして連絡先の把握できない地権者が890人もいた。環境省は特定された約1480人を中心に、戸別訪問などで用地交渉を進めている。だが、地権者は全国に散らばっており、現場立ち会いの日程調整が難航した。

 民間コンサルタント業者約60社の応援を得て査定を進めるが、「地元の実情を理解していない」として、何度もやり直したケースもある。査定は、書類の厚さが1件当たり数センチになるほど煩雑で、確認するのも大変な作業だ。

 今年4月末時点で、契約までこぎ着けたのは113人。取得面積は全体(約1600ヘクタール)の2%程度(計約35ヘクタール)。「前に進みたいが、進めない」。国の対応の遅れに、いらだちを募らせている地権者も少なくない。

 国と地権者はどこで折り合いをつけられるのか。

 地権者会では、個人で対応の難しい用地交渉について、弁護士を交えて国との話し合いを進めてきた。定期的な話し合いの場は国にとっても、用地取得を円滑化できるチャンスだ。しかし、既存の法律や制度の枠組みを理由に、会が求める土地の補償額や契約書の見直しに、ほとんど歩み寄りがない。

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