【産経抄】フライドチキン「1006回目の挑戦」と地震予測 6月12日(1/2ページ) - 産経ニュース

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産経抄

フライドチキン「1006回目の挑戦」と地震予測 6月12日

 米国の実業家、カーネル・サンダースは1006回目の挑戦でようやく笑ったという。

 ▼フライドチキンの独自製法とフランチャイズ方式の売り込みが成功するまでに要した、交渉の回数である。机上の計算だと、可能性1%の物事は450回挑めば99%の確率で報われる。可能性が0.5%でも、2千回の挑戦で成功確率は99.9956%になるらしい(『知ってトクする確率の知識』サイエンス・アイ新書)。

 ▼サンダースの営業が「全力投球」だったか「数撃ちゃ当たる」式だったかは寡聞にして知らない。結果的に、成功率0.5~1%の狭き門をたたき続けて扉は開かれた。余人が同じ確率を前にして、まねできるかどうか。1回目でニコリとできるかもしれない。2千回の挑戦が骨折り損で終わることもある。さいの目と違い現実味を伴わぬ確率への接し方は難しい。

 ▼政府の最新予測では、震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は東京都庁のある新宿区で47%という。「30年以内」とした期間の解釈は悩ましいが、コイントスと同等の高確率である。「きょうかも」「いや、ずっと先でしょう」と胸の内で問答をしているようでは、地震列島の住民として落第であろう。確率「8%弱」の土地で起きたのが4月の熊本地震だった。