福島から問う 廃棄物の重責(上)

除染したのはいいけれど…住宅地に残る黒い廃棄物袋の山 処分先決まらず復興の足かせに

【福島から問う 廃棄物の重責(上)】除染したのはいいけれど…住宅地に残る黒い廃棄物袋の山 処分先決まらず復興の足かせに
【福島から問う 廃棄物の重責(上)】除染したのはいいけれど…住宅地に残る黒い廃棄物袋の山 処分先決まらず復興の足かせに
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 木造の駅から続く商店街。明かりの消えたショーウインドーに、風に揺れるプランターの花がちらりと映り込んだ。「除染作業中」。住宅の敷地内に立てられたのぼり。その脇には放射性物質に汚染された廃棄物で膨らんだ黒い袋が固まりになって積まれていた。

 「家の目の前に『あれ』があるとね…」。東京電力福島第1原発事故で、避難指示区域となっている福島県南相馬市小高区。JR小高駅前で、住民の一時帰宅の送迎サービスを行っている脇照弘さん(45)は、もうすぐ2歳になる長男をあやしながら、そうつぶやいた。「避難指示が解除になっても、どれくらいの人が戻ってくるかは正直分からない」。脇さんの懸念は帰還の困難さにつながっている。

 「簡単には帰れないよね」。南相馬市原町区の仮設住宅に夫(82)と2人で避難している佐藤石子(せきこ)さん(76)は被曝の不安を拭えない。自宅は壁を剥ぐなど2回の除染をした。近くの田んぼには、放射線を出す廃棄物を入れた黒い袋がシートに覆われて保管されたままだ。

 事故前は長男夫婦と孫2人と暮らしていた。事故で長男一家は相馬市に避難し、家族は離れ離れに。「またみんなで暮らしたいけど…」。仮設住宅での生活は、もう4年半になる。

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