すべての手のひらに玉眼、粉河寺の千手観音立像初公開 和歌山県立博物館

 粉河寺(紀の川市)に安置されていた平安時代後期のものとみられる千手観音立像が、和歌山市吹上の県立博物館で11日から初公開される。すべての手のひらに玉眼(ぎょくがん)が施された「千手千眼観音」で、全国でも珍しいという。同時に、企画展「防ごう!文化財の盗難被害」も開催。7月10日まで。

 千手観音立像は、高さ約160センチ。長年、粉河寺本堂の裏側に安置されており、研究調査されていなかったという。すべての手のひらに、水晶の板で作った玉眼が施された県内で唯一のもの。国宝「粉河寺縁起絵巻」と同時期に作製されたとみられ、同博物館は「粉河寺の歴史を知るうえで貴重な資料」としている。展示終了後、解体修理が行われる予定という。

 企画展では、県内で盗難被害に遭い、戻ってきた仏像など53点を展示する。県内では、平成22~23年に文化財の連続盗難が発生。一部は取り戻すことができたが、どこに流通したか分からないものもあるという。同博物館は「集落の高齢化などで、文化財の管理が難しくなっている」と懸念。展示品の中には所有者が分からないものもあるといい、担当者は「盗難被害に遭った人たちにも展示を見てもらい、確認してもらえたら」と呼びかけている。問い合わせは同博物館(電)073・483・1777。

会員限定記事会員サービス詳細