おおいの研磨炭と若狭の熊川葛、林業遺産に認定

 おおい町の「若狭地域で継承された研磨炭の製炭技術」と若狭町の「若狭地域の里山での熊川葛の生産技術」が日本森林学会の林業遺産に認定された。認定は大野市の「越前オウレンの栽培技術」(平成26年度)以来3件目となる。

 研磨炭は、若狭地域に生息するニホンアブラギリを主要原料として専用の炭焼き窯で焼いて急激に冷やして作る。柔らかい材質のため、越前漆器など漆器の表面研磨をはじめ、金属工芸品、精密機械、光学レンズなど工業用研磨に利用されている。平成7年に当時全国唯一の研磨炭「駿河炭」(静岡県)の生産者、東浅太郎さんを中心に名田庄総合木炭生産組合を設立。以降、製炭業の伝承を進め、現在は同組合の木戸口武夫組合長が生産している。

 熊川葛は江戸時代から京都で売られ、菓子の材料や薬などとして珍重された。現在は熊川葛振興会の西野徳三会長ら4人が生産し、若狭町の菓子店で使われている。同町の熊川地区など4カ所で採取した葛の根を繊維状に粉砕し水と混ぜて根に含まれるでんぷんを絞り出した後、谷川の冷たい水を加えてでんぷんを沈殿させては水を流す「寒晒(かんざら)し」作業を20回ほど繰り返すことで不純物が取り除かれ、純白できめが細かい良質の熊川葛ができあがる。

 西川一誠知事は「研磨炭は日本で唯一の生産地で伝統文化への貢献が、熊川葛は江戸時代から変わらぬ製法での生産技術と品質が、それぞれ高く評価された。生産者とともに生産振興や技術の継承を進める」とのコメントを出した。

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