理化学研究所のチームが発見した新元素の名称案「ニホニウム」の公表から一夜明けた9日、チームを統括した森田浩介グループディレクター(九州大教授)が埼玉県和光市の同研究所で会見した。主な一問一答は次の通り。
--なぜニホニウムにしたのか
「われわれがやっていることは基礎研究であり、例えば新元素が新薬になったり、物質を作ったりすることはない。皆さんの注目を集めることはほとんどない。しかし新元素となると周期表の一席を占めることになるので注目を集める。国家にお金を出してもらう研究だ。われわれの研究は国民に支えられていることを表したかった」
--ジャポニウムなどの候補もあったが
「この研究を始めるときジャポニウム計画という名前がついた。それでジャポニウムが有力ということにもなったが、研究仲間の間では、どうせなら日本語がよいのではないかと。また(日本の国名は)ニホンとニッポンが正式に認められているが、実はニッポニウムは(元東北大総長の)小川正孝先生が発見したとされたことがあった。かつて使われた名前は使えないという規則がある。ニッポニウムへの強い思いがあったが。ニホニウムはガイドラインに外れておらず、正式な国名でもあるので提案した」