2016参院選

公明党が公約発表 憲法改正には触れず 「争点として成熟していない」

 公明党は9日、参院選公約を発表した。消費税率10%引き上げの再延期を表明する一方で、増税を前提とした子育て支援などの社会保障充実策は赤字国債に頼らず可能な限り実現を目指すと強調。「18歳以上」への選挙権年齢引き下げを踏まえ、給付型奨学金の創設など若者向け政策を打ち出した。平成26年衆院選公約に盛り込まれていた憲法改正には触れなかった。

 公約では安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」の成果を念頭に、社会保障充実策について「経済政策による果実を活用することを含め、財源を確保」するとした。消費税増税時には軽減税率を円滑に導入することも明記。経理方法などの情報提供や企業のシステム対応に支援策も講じる。

 同一労働同一賃金の実現に向けて、正社員の約6割とされる非正規労働者の時給について8割程度への引き上げを目指すとした。長時間労働是正のため、時間外労働の上限規制導入の検討も進める。

 政治とカネの問題を踏まえ、会計責任者への議員の監督責任を強化する政治資金規正法の改正も盛り込んだ。熊本地震や東日本大震災の発生を受け、災害庁の設置を視野に入れた専門人材の確保にも努める。

 山口那津男代表は記者会見で「公明党が存在する安定政権で、国民の暮らしを守り、希望ある日本の未来を開いていく」と訴えた。憲法改正を盛り込まなかった理由には「国民に選択肢を示す争点として、成熟していない」と説明した。

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