関西の議論

刀剣女子、歴女…「くずし字」学習アプリと解読システム、開発者も仰天の意外な需要

 アプリ開発を中心となって進めてきた同大の飯倉洋一教授(日本近世文学)は「研究者以外からも大きな反応がありました。予想をはるかに超えたものでした」と目を丸くする。

意外な需要 「家の古文書読みたい」一般人、“刀剣女子”も

 多かったのは、「家に残された古文書を読みたい」といった一般の人や、歴史に興味がある女性、いわゆる〝歴女〟からの声だというが、飯倉教授らを驚かせたのが日本刀に関心を持つ「刀剣女子」の存在。アプリ開発者が公開前にアプリについてツイートしたところ、反応した人のうち3分の1が日本刀を擬人化した美男子キャラクターが登場するオンラインゲーム「刀剣乱舞」のユーザーであることが判明。これを受けてアプリに江戸時代の刀剣書を読む機能を付け加えたという。

 「今、くずし字を読める人は1万人を割ったとみられています。それを食い止めなければ、日本の文化の可能性は摘み取られます。古人の事績や思想を理解して、後世に伝えることは、私たちの生活の基盤になる、大切なことではないでしょうか」

 現在、飯倉教授はドイツ・ハイデルベルク大で4カ月間の予定で教鞭をとっているが、かつて同大で学部生対象にくずし字講座が開かれたところ40人もの受講生が集まったといい、海外でのくずし字アプリへの関心の高さも感じている。

 「ケンブリッジ大をはじめ、海外でも日本のくずし字教育は熱心に行われています。日本文学・日本史の研究者は原典、原資料にあたるのが基本ですから」と飯倉教授。「私たちのアプリもゆくゆく英語版を作りたい」と話す。

 一方、早稲田大学も昨年10月、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)と共同開発して「変体仮名」を学ぶアプリを開発した。開発にはUCLAの准教授も加わり、国内外の学生がシンプルに学べるように工夫しているという。

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