主張

舛添知事は果たして首都の顔としてふさわしいといえるのか

 政治資金の私的流用などに疑惑が噴出している東京都の舛添要一知事が会見し、多くの不適切支出を陳謝した上で、続投に強い意欲を示した。

 会見には、疑惑の調査を担当した元検事の弁護士2人も同席し、すべての疑惑を「違法とはいえない」としながら、多岐にわたる「不適切な支出」を指摘した。

 舛添氏は「極めて恥ずかしい行動をしてきたことを反省したい」と述べながら、「粉骨砕身、都政運営に努めたい」と訴えた。

 だが、舛添氏は果たして首都の顔として、ふさわしいといえるのか。都民の怒りが沸騰している問題の所在がどこにあるのか、自身で理解しているのだろうか。

 舛添氏に問われているものは何か。その答えは、これまでの会見で自身が何度も述べてきた。「私自身が信頼を非常に失っている」ことだ。

 そして信頼を失わせたものは、いみじくも自身が口にした一連の「恥ずかしい行動」であり、「第三者(弁護士)の調査」を理由に釈明を先延ばしにしてきた政治姿勢である。

 舛添氏に対するヒアリングを中心に作成された調査報告書の内容は、十分に自身の責任で議会や都民に向けて説明できたはずのものばかりである。事態の沈静化を期待して時間を稼いだだけとみられても仕方あるまい。

 けじめとして不適切と指摘された支出を弁済し、神奈川県湯河原町の別荘は売却するのだという。なぜそれがけじめとなるのか、理解し難い。

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