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日本の企業が外資になるということはどういうことだろうか。台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されるシャープではいま、社内公用語を英語にする動きが加速。会議資料などを翻訳するのに英語が堪能な社員が重用されだしたという。英語名でテリー・ゴウと呼ばれる鴻海の郭台銘会長が本社などを訪れると「生テリー見た?」などと話題になるが、鴻海傘下に入ったシャープがどのような運命をたどるかは分からない。
鴻海とのパイプ
「英語ができるやつが重宝されだしたんです」
シャープ関係者は、こう打ち明ける。
4月2日、鴻海の買収を受け入れる契約を結んで以降、シャープで会議資料を英語にしたり、日本語と英語の併用にしたりする動きが進んでいる。資料を英語に翻訳するのに、海外勤務や留学経験のあるなど英語が堪能な社員がかりだされている。
鴻海との協議も英語力のある社員が担うため、急に存在感が高まっているという。「これまで評価されてこなかった社員や、大きな仕事を任されたことのない若手らがコミュニケーションで鴻海とパイプができたことで将来の有望株になり、社内の力関係に逆転現象さえ起きている」(関係者)という。
郭会長はシャープ本社などを頻繁に訪れ、会議室で怒号が響くことも珍しくないが、社員らは「生テリー見た?」などささやきあっているという。
最初から分かっていた
5月12日には、郭会長とシャープの次期社長への就任が発表された鴻海の戴正呉副総裁から社内LANを通じて「残念なことだが、コスト削減には従業員の削減を伴う必要がある」とメッセージが送られ、リストラの実行が示唆された。