経済インサイド

ジョージ・ソロスも動いた…金投資が過熱の一途 年初から2割も上昇したその理由とは?

 特に、厳しいリスク管理姿勢が求められる年金基金や外貨準備の運用責任者を中心に、マイナス金利の導入以降は運用資産の構成の大幅な見直しを迫られている。というのは、債券は通常、株式など他のリスク性資産の目減りリスクを回避する目的で買われるが、マイナス金利の金融環境ではこうした効果が限られてしまうからだ。

 ここで債券の代わりにバランスを取る役目を果たすのが、「金利を生まないことが最大のデメリット」(経済アナリストの豊島逸夫氏)といわれる金だ。

 1~3月の各国中央銀行による金需要はやや鈍化したものの、WGCでは「2016年以降の中央銀行の金購入量は記録的水準に達する」と予想する。

 有事のときに買われるケースが多い金だが、要因はマイナス金利政策だけではない。根強い中国の人民元切り下げ観測も、金への資金流入を加速させているとの指摘も少なくない。

 また、大物投資家も金に関連した投資を積極的に行っていることが、話題となっている。米ブルームバーグの報道によると、著名な投資家、ジョージ・ソロス氏の投資ファンドは1~3月期に米国株への投資額を年末時点から37%減らした一方、カナダにある世界最大の産金会社の株式を大量取得した。

 世界経済が視界不良となる中、日欧の異例のマイナス金利政策は当面、続く可能性がある。金への投資マネーの流入はしばらく収まりそうもない。(米沢文)