食卓支えるバイオ(下)

「被害ゼロ」…なお抵抗感 国内栽培商品は「青いバラ」だけ 

 価格の安い遺伝子組み換え大豆ではなく、2倍ほど高値の非組み換え大豆を扱う関西のあるしょうゆメーカーの担当者は、「消費者の組み換え食品への理解は進んでおらず、『不使用』のニーズはまだまだ高い。たとえ3倍高値になっても使い続けるつもりだ」と打ち明ける。

 輸入された遺伝子組み換え作物は、主に家畜の飼料や、油やコーンスターチ(デンプン)などの食品として消費される。トウモロコシを原料とするコーンスターチはソースやドレッシングなどにとろみをつけるために、コーンスターチから作るコーンシロップは、清涼飲料水の甘味料などに広く使われている。

 現行制度では、しょうゆや油、甘味料など加工過程でタンパク質や遺伝子が分解される食品には、遺伝子組み換え作物の有無の表示義務はない。また、組み換え作物の割合が上位3位までの「主な原材料」に当たらない場合などは表示が省略できる。

 日本のスーパーなどで、「遺伝子組み換え原材料使用」の表示をほとんど見かけないのはこのためだ。遺伝子組み換え食品が広く浸透する一方、それが原材料に含まれているかどうかを消費者が確かめる手段は限られている。

商品化は1つ

 遺伝子組み換え作物の国内栽培も、大学や企業などが研究を進めている。

 農林水産省によると、国内でこれまで栽培が承認された組み換え農作物は、大豆やトウモロコシなど8作物116品種。しかし、商品化されたのは平成16年にサントリーが開発した「青いバラ」だけだ。

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