世界初の快挙か!大阪・海遊館の絶滅危惧ペンギン人工授精、待望のヒナ誕生

 海遊館では平成2年の開館時から飼育しているが、現在は雄13羽と雌7羽の計20羽。20~22年の3年間で5羽のヒナが誕生しているが、雄と雌の個体数のバランスが悪い上に雄の高齢化が進み、23年以降は孵化に至っていなかった。

 長期的に個体数を維持するには人工繁殖が必要として、23年から神戸大大学院農学研究科の楠比呂志准教授(保全繁殖)と共同で人工繁殖を開始。まず調べたのが雄の精子の採り方だ。5通りの方法を試し、不純物が混ざらない手法を確立したほか、雌の血液検査などを通して産卵時期を推定し、人工授精に適したタイミングを解明した。

 昨年は雌5羽に計11回の人工授精を行い、卵4個が得られたが、結局孵化しなかった。DNA検査の結果、人工授精ではなく自然繁殖(交尾)であることが分かった。失敗の原因として精液の量が少なかったことと、人工授精の時期が最適でなかった可能性が考えられた。

 そこで、海遊館は今シーズン、ミナミイワトビペンギンでは有数の繁殖実績を持つ葛西臨海水族園(東京)に協力を依頼した。同園で飼育している4歳~推定21歳の雄8羽から精液を採取し、氷で低温状態を保ったまま新幹線で海遊館まで搬送。精子の状態を確認し、雌3羽に人工授精を施した。これを3回繰り返した結果、4月下旬から5月にかけて産卵。2組のつがいが卵4個を交代で温めてきたが、4、5、6各日にそれぞれ1羽ずつヒナがかえった。

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