説明文には英訳があり、《(略)were brought by force to Japan(略)》とある。《by force》 は「強制的に」「力ずくで」という意味だ。資料館によるとこの説明板は平成3年に設置された。まず日本語、次いで英文が作成されたが内容や表現の決定経緯は分からないという。歴史認識問題に詳しい福井県立大の島田洋一教授は、この表現について「過度に朝鮮人の被害性を強調した英文になっている。by forceは削除すべきだ」と指摘する。
「徴用された」「労働力として動員された」ではなぜいけないのだろうか。
昨年7月のユネスコ世界遺産委員会での「明治日本の産業革命遺産」登録にあたっても、やはり朝鮮からの勤労動員に関する英文で外務省が「力ずくで」の表現を入れ、韓国側を歓喜させた。
本館は今年10月に全面リニューアル作業に入る。模型展示は撤去されるが、朝鮮半島からの徴用についてはいずれかの展示で触れられるだろう。外国人への影響力が大きくなる資料館には、史実に忠実な表現で、日本の平和への取り組みを伝えてもらいたい。