コクーン歌舞伎「四谷怪談」 七之助、父に思い…進化した舞台

「お袖は武士の娘であるということを忘れずに演じたい」と話す中村七之助
「お袖は武士の娘であるということを忘れずに演じたい」と話す中村七之助

伊右衛門とお岩夫婦の怪談として知られる「四谷怪談」。6日からシアターコクーン(東京都渋谷区)で始まる「四谷怪談」(串田和美演出・美術)ではサイドストーリーにも光を当て、現代性も加味したコクーン歌舞伎らしい新たな舞台になりそうだ。

「上の方で起こった事件(忠臣蔵)が飛び火し、人々の運命の歯車が狂っていくさまをお見せできれば、と思います」と、お岩の妹、お袖を演じる中村七之助(33)は話す。許婚(いいなずけ)の佐藤与茂七(中村扇雀(せんじゃく))が殺されたと早合点し、言い寄る直助権兵衛(中村勘九郎)と夫婦となる悲劇。上演機会の少ない「深川三角屋敷の場」で因果な男女の関係が描かれる。

七之助は平成18年、コクーン歌舞伎で「四谷怪談」を南番と北番の2演出で上演したとき、北番でお袖を演じた。「初日が開いてからも父(中村勘三郎)に死ぬほど怒られ続けました。今回はリベンジのつもりで演じたい」

北番は、洋楽を使った現代的な演出が当時、評判になった。今回は「北番の良さを生かしつつ、進化した舞台」(七之助)で、現代サラリーマンと江戸の人が行き交ったり、映像を使うなど新たな趣向も加わりスピーディーに展開する。

「コクーン歌舞伎は(異質なものが)融合する面白さがあるので、ガラッと違う作品に見えるのではないでしょうか」。お岩を当たり役とした父に思いをはせ、ほほ笑んだ。

29日まで。長野・松本公演あり。(電)0570・000・489。(飯塚友子)

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