浪速風

はねかえすか?「羽生の壁」

競馬の日本ダービーで4着に敗れたエアスピネルの武豊騎手は「生まれた年が悪かったね」と言った。今年の3歳牡馬は史上最強世代と評される。勝負の世界には世代の壁がよくある。将棋では羽生善治棋聖(45)と「チャイルドブランド」と呼ばれた同世代の棋士たちが長い間、高く、厚い壁だった。

▶歴代1位のタイトル獲得通算94期を誇り、一時は七冠を独占した羽生さんが、佐藤天彦(あまひこ)八段(28)に敗れて名人位を失った。16年ぶりの20代名人の誕生は、ようやく世代交代が訪れたのか。気になるのは羽生さんの不調である。名人戦第2局では、相手の玉が詰む手順を見逃すミスで逆転負けした。

▶まだ老け込む年齢ではなかろう。史上最高の棋士と呼ばれ、69歳で亡くなるまで生涯現役を貫いた大山康晴さんは、スランプは「苦しくても耐えしのぶこと。じっと耐えてチャンスの到来を待つ。これ以外にない」と言った。今日から始まった棋聖位防衛戦で真価が問われる。