安倍晋三首相(自民党総裁)と民進党の岡田克也代表は3日、それぞれ街頭演説や講演に臨み、「22日公示-7月10日投開票」の参院選に向けた舌戦を繰り広げ、与野党党首の遊説が事実上スタートした。今回の参院選で改選議席の過半数確保を勝敗ラインに掲げる首相に対し、野党は安倍政権の「1強」体制を崩すきっかけとしたい考えだ。
首相は訪問先の福島県いわき市や郡山市で街頭演説を行い、消費税率10%への引き上げを2年半延期したことについて「新しい約束をする以上、国民に信を問う。参院選でしっかり説明していきたい」と訴えた。
首相はアベノミクスへの野党の批判に対し、「間違いなく成果が出ている」と強調。3月に施行された安全保障関連法についても「廃止しようとしているのが民進党であり、共産党だ。世界で信用を失っている」と批判したうえで、「共産党は日米同盟を破棄しようとしている。民進党は選挙のためなら共産党と手を組む。私は許すことはできない」と述べ、自公連立政権と民共勢力の対決軸を鮮明にした。