同日選見送りの真相

4年前から安倍首相の脳裏にあった切り札 「調子に乗ってはいけない」と自重 状況が一変したきっかけは…

通常国会は当初会期通りに閉会。議員らは参院選に向けていっせいに走り出した=1日、参院本会議場(斎藤良雄撮影)
通常国会は当初会期通りに閉会。議員らは参院選に向けていっせいに走り出した=1日、参院本会議場(斎藤良雄撮影)

 「今度(平成24年12月)の衆院選と来年の参院選で段階的に改憲勢力を増やし、28年夏には憲法改正の是非を問う衆参同日選に臨みたい」

 安倍晋三首相は自民党総裁に返り咲いた直後の24年10月、まだ首相就任前の時点で知人にこう語っていた。今夏の参院選に合わせて衆院解散・総選挙を行う衆参同日選という選択肢は、4年近く前から首相の脳裏にあった。

 首相が今年を、悲願の憲法改正への節目の年と考えてきたのは間違いない。

 「今年は私どもにとって大切な年になる」

 首相が3月17日、日本商工会議所の会合でこう述べた際には、衆参同日選の示唆ではないかと話題になった。同月2日の参院予算委員会では、「(憲法改正を)在任中に成し遂げたい」と明言していた。

 そしてこれらの一連の発言は永田町で、同日選による参院議席の底上げ効果で、憲法改正の発議に必要な3分の2の議席を改憲勢力で確保する意欲を示していると受けとめられた。

 衆院解散とは、すべての衆院議員が一度にその地位を失うことにほかならない。当然、改選を迎える参院議員だけでなく、衆院議員も水面下で自らの選挙準備を進める必要に迫られ、国会は慌ただしさに包まれていった。

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