北九州市が「危機管理専門官」を新設 防災力向上へ幹部自衛官OB起用

 北九州市が大規模災害に備え、平成29年度に「危機管理専門官」(仮称)の新設を検討していることが1日、分かった。行政が取り組む災害対応について、主に助言・支援する役割で、自衛隊出身者の採用を計画している。豊富なノウハウを持つ人材を組織に取り入れ、防災力向上を目指す。(九州総局 村上智博)

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 同市には、防災・危機管理部門のトップとして、局長級の「危機管理監」がいる。新設する「危機管理専門官」はこれに次ぐポストに位置付ける見通しだ。

 台風や地震など大規模災害の発生時には、災害対策基本法に基づき、市長を本部長とする「災害対策本部」を設置し、緊急対応にあたる。「危機管理専門官」は対策本部の中で、自衛隊をはじめ国の機関との連携などをサポートする。

 また、各自治体がつくった「地域防災計画」や「国民保護計画」の改定作業などへの助言も期待している。このことから、災害派遣など現場経験が豊富な退職自衛官の採用を念頭に置いている。

 同市幹部の一人は「熊本地震をみても、防災・減災の重要性はさらに高まった。今後の災害対応に自衛隊の知識を役立てたい」と語った。

 防災専門家として、退職自衛官らを危機管理・防災ポストに採用する動きは、全国の自治体に広がっている。

 熊本県の有浦隆危機管理防災企画監(課長級)は、陸上自衛隊の出身で、第47普通科連隊長(広島)も務めた。26年度に3年間の任期で採用された。

 日ごろは県内市町村の防災担当者に対し、避難訓練などを指導する。熊本地震の発生時は、被災自治体や自衛隊との調整役を担い、迅速な救援、復旧作業につなげた。

 北九州と同じ政令指定都市では、東海地震が懸念される静岡市が25年、陸自元幹部の喜沢芳治氏を「危機管理調整官」(現・危機管理総室長)に採用した。

 内閣府は27年秋、専門性を有した防災のプロを認定する「地域防災マネージャー」制度を創設した。自治体からの要望に応じて、助言・支援する。5月19日現在で全国340人が認定されたが、ほぼ全員が元自衛官だという。

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