柏崎市の会田洋市長(69)は1日の記者会見で、12月に任期満了を迎える市長選に出馬しない考えを表明した。4選を目指して立候補が確実視されていたが、持病の緑内障が進行したことから断念した。
次期市長に誰がなるかによって、東京電力柏崎刈羽原発(同市、刈羽村)の再稼働をめぐる地元の判断にも影響が出そうだ。
会田市長は3年前に緑内障の手術を受け、今年4月に検査入院していた。会見で「主治医から『継続には無理がある』との診断結果を4月下旬にもらい、熟慮の末に出馬しないことを決断した」と説明した。任期満了までは市長を務めたいとしている。
柏崎刈羽原発の再稼働に向けて原子力規制委員会が審査を進めており、結果次第では地元に再稼働の同意に関する判断が求められる。会田市長は「任期中に(再稼働の議論が)俎上(そじょう)に載れば私なりの判断や考えを示す」とした。ただ、審査終了は退任後の年明けになる可能性がある。会田市長は「原発の安全性の確保と市民の理解が必要だ」と強調し、この考えが次期市長に引き継がれることに期待を示した。
市の方向性を示す第5次総合計画の策定など地域創生に向けた課題が山積していることにも触れ、「途中で投げ出すことを避けたい気持ちも強くあった」と複雑な心境も明かした。
会田氏は柏崎市出身で東大工学部卒。昭和46年に大阪市役所に入り、52年から長岡市の都市整備部長や環境部長などを歴任。平成16年の市長選で初当選し、24年に3選を果たした。これまで市長選への出馬を表明した候補者はいない。