けいざい徒然草

「ブラック・レイン」の汚名返上なるか?福山主演のJ・ウー最新作で問われる大阪ロケの「おもてなし」度

 「追捕」の大阪ロケの日程や撮影場所は明らかにされていないが、海外の大作映画だけに大がかりな撮影が想定され、近鉄側もあべのハルカスや近鉄駅などの使用を提案している。一方、主演する人気歌手・俳優の福山さんを一目見ようと女性らが多数詰めかける事態が予想され、「御堂筋でカーチェイスを」などとウー監督が要望していることからも、警備や安全確保の面で大阪府警などとの交渉の行方が注目される。

 大阪FCの大野さんは約30年前の大阪での撮影環境と比べ、「今では遊歩道が整備された道頓堀など繁華街でも撮影しやすい場所が増えてきた」と話す。大野さんによると、日本の映像作品でスタッフ50人が1カ月大阪に滞在した場合、宿泊・飲食代などの直接消費で1500万円程度が見込まれる。セットや警備などの関連費用なども含めるとさらに経済効果は膨らみ、「追捕」の場合は「億単位も期待できる」という。

 撮影時の経済効果だけでなく、近年は映画を見たファンによるロケ地巡りも新たな観光需要の創出機会となっている。関西出身の人気アイドルグループ「関ジャニ∞(エイト)」の渋谷すばるさん主演で昨年公開された「味園(みその)ユニバース」では、レトロ感あふれる大阪・ミナミの複合商業施設「味園ビル」などのロケ地マップが作られ、大阪FCが企画したロケ地見学会には関東や九州からも含め約800人が参加した。「追捕」でも大阪の情景が魅力的に映し出されれば、世界中の人々が実際に見ようと来阪する観光振興効果は計り知れない。

 そのためにも今回は、「ブラック・レイン」で海外の映画関係者からの評判を落とした大阪が名誉を挽回できる絶好の機会だ。「追捕」の公式サイトでは、ボランティアのエキストラやスタッフなどの募集も始まった。大阪府の松井知事も全力でロケ撮影に協力すると約束しただけに、府民らも加わった「おもてなし」度の高さが求められている。

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