けいざい徒然草

「ブラック・レイン」の汚名返上なるか?福山主演のJ・ウー最新作で問われる大阪ロケの「おもてなし」度

 協力内容は映画やテレビ、CMなどのロケ対象施設の紹介、施設管理者との借用交渉代行、ホテル・駐車場・機材調達先などの紹介、ボランティアのエキストラ募集など。当初は企業や自治体に撮影交渉の窓口となる専門部署がなかったため、できるだけ迷惑をかけない形でと低姿勢でお願いし、ようやく許可や協力を得られる状態だった。

 やがて映像作品に露出した大阪の通天閣や海遊館などのPR効果が認識されるようになり、14年度には協力作品数が年間100件を超え、現在は年間150件程度で推移。27年度までの累計では2千件を超えた。さらに自治体や企業との連携で支援した作品を含めると年間800件を超える規模となっており、大阪FCに登録しているボランティアエキストラは今や1万5千人以上だ。

橋の封鎖や群衆場面も

 大阪FCが協力してきた作品のうち、厳しい撮影条件をクリアできた邦画を大野さんは2つ挙げる。米倉涼子さん主演の「交渉人 THE MOVIE タイムリミット高度10,000mの頭脳戦」(平成22年)では、臨海部の埠頭(ふとう)を結ぶ泉大津大橋(大阪府泉大津市)を封鎖してアクションシーンを撮影するため、埠頭にある運送業など約50社から同意を取り付け、配送時間をずらしてもらうなどした。

 堤真一さん主演の「プリンセストヨトミ」(23年)では、大阪市内の大阪府庁前の上町筋を封鎖して撮影を行うための交渉や調査に当たったり、2千人を超えるボランティアのエキストラによる群衆シーンに協力したりして、市街での大がかりな撮影を成功に導いた。「こうした経験によって、どういう準備を行えば、どういうことができるか分かり、新たに出てきた課題も次に生かせるようになった」と大野さん。

 フィルムコミッションの全国組織、ジャパン・フィルムコミッション(JFC)にはフィルムコミッションや行政、業界の計120団体が加盟。非加盟も含めると、26年時点で全国に278団体(JFC調べ)のロケ支援組織があるとされる。当然、各地でロケの誘致合戦が繰り広げられると思われるが、大野さんによると、関西のコミッションは情報交換しながら作品に適したロケ地を紹介し合う補完関係にあるという。

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