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「民進党との合流も一つの選択肢」。社民党の吉田忠智党首の仰天発言に端を発した「タダトモの乱」はわずか1週間で鎮圧された。夏の参院選で改選を迎える吉田氏は党勢低迷で自身の議席確保さえ危ぶまれる中で、「強い危機感で出た発言」と弁明するが、党内の反発を受け発言撤回に追い込まれた。党首力の低下は避けられず、吉田氏を取り巻く情勢は「進むも地獄、退くも地獄」。イバラの道が待ち受けている。
社民党は5月18日夕、首相官邸の裏側に位置する党本部で臨時の常任幹事会を開催した。
沖縄県議選(27日告示、6月5日投開票)の対応に奔走する照屋寛徳衆院議員(沖縄2区)を除く3人の国会議員らを前に、吉田氏は、12日の常任幹事会で「民進党との合流」をぶち上げた自身の発言について「本意ではなく撤回する」と述べ、こう続けた。
「党員、支持者に大変な不安や動揺を与えたことについて深くおわびする」。同時に、参院選に向け「全身全霊を傾けて戦い抜く」との決意を表明した。
吉田氏は幹事会後、記者会見に臨んだが疲れ切った表情で「勇み足だった。現場で頑張っている方々に冷や水を浴びせた」と深々と頭を下げた。「お目付け役」として同席した又市征治幹事長の横で、借りてきた猫のように慎重に言葉を選びながら発言した。
「唐突だったから(合流構想が問題)提起として受け止められなかった」と唯一、悔しさをにじませた場面もあったが、もはや誰の耳にも届かなかった。