倒壊、ゴミ不法投棄…危険な空き家問題深刻な大阪市、対策に腰上げる 政令市中最悪28万戸・空き家率17・2%

老朽化して天井が崩落、室内がむきだしになった空き家=大阪市生野区
老朽化して天井が崩落、室内がむきだしになった空き家=大阪市生野区

 全国の政令市で最も空き家数が多い大阪市は31日、空き家の活用や所有者への指導強化などの対応を明記した計画の素案をまとめた。市民らから意見を取り入れ、10月をめどに本格的な取り組みを始める方針。

 同日開かれた有識者らでつくる「空家等対策協議会」の会合で素案が示された。

 放置された空き家は老朽化による倒壊やごみの不法投棄、景観を損ねるなどの恐れがある。市内には約28万戸の空き家があり、空き家率は17・2%。全国平均の13・5%や府内平均の14・8%を上回り、特に古い木造住宅が多い西成区や東住吉区、生野区では20%を超えている。

 素案では、空き家事情が各区で異なることから、区役所が拠点となり具体的な行動計画を策定▽所有者への指導を強化し、必要に応じて代執行処分などの是正措置を実施▽まちの魅力向上につなげるため、利用可能な空き家の活用を推進する-を基本方針とした。

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