参院選・香川

共産初の野党統一候補 民進に根強い「アレルギー」 

野党候補を支援する「市民連合」と政策に関する覚書を交わす共産党の田辺健一氏(左)=5月27日、香川県庁
野党候補を支援する「市民連合」と政策に関する覚書を交わす共産党の田辺健一氏(左)=5月27日、香川県庁

 休日を楽しむ家族連れでにぎわう高松市丸亀町の繁華街。夏の参院選で、共産党所属として全国初の野党統一候補となった田辺健一氏=香川選挙区=は5月29日、安倍晋三政権への批判票は一手に自らに投票するよう切々と呼びかけた。

 「安倍政権を打倒し戦争法(安全保障関連法)を廃止すると訴える候補は香川選挙区で私ただ一人だ!」

 共産党は野党統一候補の擁立を進めるため、全国に32ある改選1人区の大半で出馬を辞退。民進党には、その代わりに野党共闘の象徴として、1人区の1カ所だけでも共産党を統一候補とするよう求めていた。

 民進党の岡田克也代表が要求を受け入れ、白羽の矢を立てたのが香川だったというわけだ。20日には、香川で同党推薦を決めていた岡野朱里子県議の擁立を撤回。共産党の志位和夫委員長は「全国の選挙区に計り知れないプラスの影響がある」と手放しで喜んだ。

 ただし、民進党がすんなり田辺氏を応援するかは見通せない。党本部主導の擁立断念劇に、地元では「共産党アレルギー」を背景にした不満が根強いからだ。

 田辺氏が街頭に立つ1時間前。高松市の集会所には支持者に深々と頭を下げる民進党県連代表、小川淳也衆院議員の姿があった。

 「民進党候補の撤退にはお叱りもいただいている。共産党候補とどう距離感を保てばいいのか。全面的な応援も難しいだろうし、放っておくというのも…」

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