熊本地震の教訓、地域防災に 福岡大でシンポ、専門家が報告

地域防災力強化に向けて意見交換したシンポジウム=29日午後、福岡市城南区
地域防災力強化に向けて意見交換したシンポジウム=29日午後、福岡市城南区

 熊本地震の教訓を生かし、災害時の取り組みを話し合うシンポジウム「熊本地震を踏まえた地域防災力強化の在り方」が29日、福岡大学(福岡市城南区)で開かれた。

 防災に携わる産学官のメンバーでつくる地区防災計画学会(会長、室崎益輝・神戸大名誉教授)などが主催。室崎氏や前内閣府防災担当の筒井智士氏ら専門家6人が、熊本地震を受けた対応や今後の対策などを報告した。

 筒井氏は、熊本地震では取引先の操業停止や資材が調達できなくなるといったサプライチェーン(供給網)の被害が、多くの企業で業務停止の主な要因となったと指摘した。

 平成23年の東日本大震災では、被災地以外でも多くの企業が倒産したことを挙げ、「災害時にリスクが顕在化しても重要な事業を中断させず、早期復旧させるBCP(事業継続計画)の策定は九州では遅れている。早期の整備が求められる」と述べた。

 さらに、BCPを策定していた場合でも、有効に機能したかを検証することや、地方自治体でも、緊急事態の業務再開手順をまとめることの重要性を指摘した。

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