からだのレシピ

「必要な薬」遺伝子検査で

【からだのレシピ】「必要な薬」遺伝子検査で
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 □シカゴ大・中村教授が米最新事情紹介

 ■体に優しい医療へ 横浜薬科大で講演

 「必要な種類の薬剤を必要な量だけ、必要な患者に投与する」という予測医療の時代が近づいてきた。それを可能にするのは特定の個別遺伝子の情報に基づいたプレシジョン・メディシンだ。遺伝医学の世界的な権威である米シカゴ大学の中村祐輔教授が横浜薬科大学で講演し、米国の最新事情を紹介した。

 この中で、中村教授は「米国ではプレシジョン・メディシンという名のヘルスケア革命が起きている。患者さんに優しいオーダーメード医療や予防医療が推進されている」と前置きし、どう体に優しいのかについて「事前の遺伝子検査によって患者さんごとに薬の効き具合が分かるようになってきた」と指摘した。

 中村教授によると、乳がんの抗ホルモン剤、タモキシフェンでは日本人の約20%が遺伝子の多型(一部の人にみられる個人差)によって同薬の効きが弱いことが明らかになり、血栓・脳梗塞予防などに使われる血液凝固剤のワーファリンでは同じ量の同薬を投与しても一部の患者には脳出血などの重篤な副作用が出ることが判明している。

 また、市販薬に含まれている成分によって小児が全身やけどのような症状を引き起こすスティーブンス・ジョンソン症候群では複数の薬での危険度が予測可能になってきたという。

 米国では遺伝子検査が保険適用となっているケースが増えているのに対し、日本では乳がんの発症リスクや抗がん剤の効き具合を調べる遺伝子検査などは自由診療の扱いだ。

 中村教授は「従来は『とりあえずこの薬で様子を見ましょう』の投薬だったが、遺伝子検査によってすべてのケースではないが、投与しなくていい薬を回避できる。患者さんの負担と医療費も減らすことが可能になる」と強調した。

 講演は3月17日に行われた。ノーベル物理学賞受賞者で横浜薬科大学の江崎玲於奈学長が「米国の最先端の医療に学ぶべきことは多い」と感想を述べた。

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