衝撃事件の核心

「楽しい時間をありがとう」から一転「嫌な女」…アイドルを刺した27歳男のゆがんだ妄想

男のゆがんだ愛情と、警視庁の対応の不手際が招いた悲劇だったのか。東京都小金井市で、アイドル活動をしていた女子大生がファンの男に刺された事件。発生から1週間が過ぎ、動機や犯行時の様子など詳細が明らかになってきた。女性から事前に被害の相談を受けていた警視庁の失態も次々に判明。当初からストーカー事案とは判断せず、対応が最小限にとどまっていた。男はツイッターを通じて女性に一方的に好意を寄せていたとみられ、アイドル活動の隠れた危険性も指摘されている。

「助けて」必死の通報

21日午後5時ごろ、東京都武蔵野市の亜細亜大3年、冨田真由さん(20)は、事件現場のライブ会場に到着する直前、男に声を掛けられた。

「冨田さんですか?」

男は京都市右京区の造園業、岩埼(いわざき)友宏容疑者(27)=殺人未遂容疑で送検。1月以降、冨田さんのツイッターやブログなどに執拗(しつよう)に書き込みを繰り返していた人物だった。

冨田さんは「そうです」とだけ応じたが、男は「お話できますか」と続けてきた。冨田さんは「急いでいますから」と立ち去ろうとし、スマートフォンを手に取った。警視庁は事件前、「岩埼容疑者の姿を見かけたら110番通報するように」と冨田さんに伝えており、冨田さんは110番通報をしようとしたとみられる。

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