皆さんのオフィスに、他人をうらやみ、ひがむ人はいないだろうか。「あなたはいいよね、やりがいのある仕事を任せてもらえているから……」や「私の仕事なんて誰でもできるものだから……」といったセリフは、聞いていて決して気持ちのいいものではない。人はなぜ、他人をひがんでしまうのだろうか。そして、このような人にはどう接すればいいだろうか。臨床心理士の松島雅美先生に聞いた。
他人をひがみがちな人のタイプとは
まず、他人をひがみやすい人の傾向を聞いた。
「『他人をひがみやすい人』は、実は『他人にひがまれたいと願っている人』であることが多いようです。他人から、『うらやましい!』とか『すごい!』などと思ってもらいたいのですね」(松島先生)
「他人をひがみやすい人=他人にひがまれたい人」という図式はわかりやすい。本人の中に他者からちやほやされたいという気持ちがあるため、実際にその立場にいる人を見てひがんでしまうのだろう。だが、あまり他人をひがまない人もいる。この違いは何なのだろうか。
「ひがみやすい人は、自分と他人の境界線が曖昧なのでしょう。性格や価値観だけでなく、育った環境や得意分野、努力量といったあらゆることが違うのに、客観的な視点で自分や他人を見ることができないのです。その結果、自分と他人を同化してしまい、自分が欲しいものを持つ他者をひがんでしまうのですね」(松島先生)