地上300メートルで日本1の高さを誇る「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)の展望台から撮した写真は、道路の街頭が光の筋となって縦横に走り、都会のダイナミズムを感じさせ力強い。ここには「全面ガラス張り、照明も控えめで映り込みが少なく、初心者でも撮影しやすい」との解説。
岩崎さんは1980年生まれ。法政大学経済学部卒。23歳のとき、旅行で訪れた「稲佐山」(長崎県)からのパノラマ夜景を見て感銘した。「息をのむ美しい夜景に感動。時間を忘れて写真を撮りました」と話す。その感動が夜景写真家の誕生につながった。本書にも昨年10月に「稲佐山」を撮影した写真が収められている。その解説には「起伏に富んだ地形が立体的な光をつくり出す」と書かれている。
夜景の魅力について岩崎さんはこんなふうに語る。「夜景に魅せられるポイントはどのような夜景を見るかによって変わってくると思うのですが、工場夜景だったらエネルギッシュさや非日常感を味わえる。山や公園から街を見下ろす夜景であれば、昔の思い出にふけりながらリラックスしたり、一緒に訪れた人と語り合って2人の気持ちを近づけたり。ライトアップを眺めることで豊かさを感じたりできる」
夜景は見る人にさまざまな思いを巡らさせる。だから引き寄せるのかも。