参加大学がコラボスイーツ考案 熊本地震被災の東海大農学部応援
大学生らが研究室やゼミで開発した食品を一堂に集めた「第9回大学は美味しい!!」フェアが、渋谷区の新宿高島屋で開かれている。熊本地震で農学部(熊本県阿蘇キャンパス)の学生が被災した東海大学を応援するため、3大学が東海大の食品を使ったコラボスイーツを考案して支援している。31日まで。
フェアは、東北から九州の34大学・大学校が参加しスイーツ、麺類など約100品を出品。東海大学は熊本産豚肉を水分を加えず2週間熟成し燻煙した「東海大学ベーコン」を販売する予定だった。
しかし、4月に熊本地震が発生。出店が危ぶまれたが、参加を強く希望した。ベーコンは食材を岩手県産豚肉に切り替え完成させ、阿蘇キャンパスの学生らが以前開発したムラサキマサリ(紫いも)を使ったデザートソース「阿蘇の紅(くれない)」も販売した。
フェアに参加した他の大学も東海大を応援。東京家政学院大学(東京)、長岡造形大学(新潟)、石巻専修大学(宮城)の3大学が阿蘇の紅を購入して材料に使い、チーズケーキ、ベーグル、クッキー、アイスの4品を考案し応援した。
会場に来られなくなった阿蘇キャンパスの学生に代わり、代々木キャンパスの学生らが来場者を接客。同キャンパスの観光学科3年、石田ゆりのさん(20)は「デザートソースは酸味があっておいしいです」とPRし、佐藤加奈子さん(20)は「専攻をいかし将来、観光復興に貢献できれば嬉しい」と話した。
また、フェアが主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)と同じ26日に開幕したことにちなみ、事前に川村学園女子大学など4女子大の7人がグルメサミットを開催。「G7ランチ」(千円)を作りイートインで提供している。同大生活文化学科4年、布施杏奈さん(21)は「暑いとき、さっぱりするようトマトを材料にしました」。
買い物に訪れた練馬区の主婦、鈴木洋子さん(76)は「豚の臭みがトマトで消え、おいしかった」と満足そうだった。