内定もう5割?「6月、いいことあるよ」とささやかれ…来春卒の就活、解禁日は形だけ

 就職情報提供会社のディスコの調査によると、5月1日時点で内定を獲得した学生は29.1%に上り、昨年の同時点の17.9%を大幅に上回った。結局、選考解禁日を早めた分だけ、企業が内定を出す時期も早まっただけのようだ。

 ディスコの吉田治広報課長は、「事実上の内定を含めれば、5月末段階では5割近いところまで上昇するだろう」と予測する。

 大学や学生側も指針破りは承知の上だ。神奈川県内の私立大学のキャリアセンター担当者は「実際の採用日程は、指針通りでないことを前提にして希望先企業の採用スケジュールを入手するよう学生に指導していた」と打ち明ける。

「オワハラ」は沈静化か

 一方、オワハラについて、経団連の榊原定征会長は「今のところは問題があるとは聞いていない」としている。昨年は大手企業の選考開始が遅くなり、その結果を待っていられない中堅・中小企業が学生を囲い込もうとしたことがオワハラの一因だった。今年は大手の採用が終わってからという従来のスタイルに戻したところが多く、日程変更が功を奏したかたちだ。

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