来年3月卒業予定の大学生・大学院生の就職活動は、企業の面接・選考が6月1日に解禁される。経団連の採用指針では解禁日が昨年の8月1日から2カ月早くなった。日程変更は2年連続。解禁日が前年までの4月1日から4カ月遅くなった昨年は人材争奪戦が激化し、内定を出す代わりに他社への就活を終わらせるよう強要する「オワハラ」が問題となったが、今年は沈静化しているという。ただ内定を前倒しで出す企業はむしろ増えており、選考解禁前夜には半分の学生が事実上の内定を得ているとの見方もある。
大手でも「指針破り」続々
「6月に入って、きちんと面接を受けてくれれば、いいことがあるよ」
東京都内の私立大学に通う4年の男子学生は5月中旬、大手情報通信会社の担当者との面談でこう言われた。「内定」という言葉は出なかったが、事実上の内定だ。
外資系やIT企業にとどまらず、経団連加盟の大手企業でも指針破りが行われており、6月までに実質的な選考を終え、解禁日に形式的な最終面接を行う企業が少なくないという。