4月半ばに九州で大きな震災が起こりました。テレビなどで連日被災者の境遇が報道されていますが、心身ともに相当なストレスがかかっていることと思われます。
「病は気から」と言われますように、ストレスが引き金で病気を発症しやすくなります。有名なものでは胃潰瘍など胃腸系の病気が知られていますが、脳の病気でも精神的な要因で起こりやすくなることが分かってきたようです。
米国のブリガムヤング大の研究者が過去の報告(延べ18万人、先行研究報告23件分)を詳細に分析した結果、孤独感や社会的孤立があると心筋梗塞や狭心症といった心臓疾患は29%の危険度上昇、脳卒中に至っては32%の上昇になると報告しています。
心臓や脳疾患の発症危険因子といえば、生活習慣病、運動不足などが広く知られていますがそれに匹敵する危険度上昇です。研究グループによると免疫力低下、高血圧、早期死亡にも関連することが明らかにされており、看過できない要因になっています。
現在、スマートフォンが普及し、それに伴ってフェイスブックやラインなど、ネットによるつながりが多く見られるようになっています。一見お手軽につながりを持てる方法にも見えますが、直接会って会話をかわすコミュニケーションには及ばないことが既に研究結果で出ているそうです。単につながるだけではなく、直接のふれあいが大切であることが証明された結果とも言えます。