暮らしの注意報

睡眠薬を飲む中高年にリスクが… 骨折しても「記憶がない」 安易な処方に警鐘も

【暮らしの注意報】睡眠薬を飲む中高年にリスクが… 骨折しても「記憶がない」 安易な処方に警鐘も
【暮らしの注意報】睡眠薬を飲む中高年にリスクが… 骨折しても「記憶がない」 安易な処方に警鐘も
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 熟睡できず、すぐに目覚めてしまうといった「不眠」の悩みを持つ人は、中高年層ほど多く、睡眠薬を服用する人も少なくない。睡眠薬は不眠症の治療に有効だが、特に高齢者の場合、副作用による転倒や骨折をはじめとするリスクが高まることが分かっている。不眠症の改善には生活習慣の見直しとともに、的確な処方に基づく、適切な服薬が大切だ。(戸谷真美)

即効性の一方で…

 「1晩でいいから熟睡してみたい。それができたらずいぶん楽になると思う」

 東京都内に住む50代の会社役員の男性はそう話し、ため息をつく。仕事上のトラブルをきっかけに不眠症になり、睡眠薬を服用するようになって10年以上。薬を飲めば眠れるが、2、3時間で目覚めてしまうという。

 現在、男性は鎮静剤や抗不安薬としても広く使われてきたベンゾジアゼピン系(BZ系)と呼ばれる睡眠薬を2種類飲んでいる。BZ系の薬は、脳の神経伝達物質の働きを抑えることで、眠りをもたらしたり、不安を抑えたりすることができ、即効性も高い。一方で眠気が残る、ふらつくなどの副作用のほか、適正に使用しなかった場合などに依存性が高まることも報告されている。

 男性は数年前、数種類のBZ系睡眠薬を飲んで目覚めた朝、自宅で転倒し、肋骨(ろっこつ)を骨折した。「家族の話では、転んだときにすごく大きな音がしたらしいのですが、記憶がない。夜になってから、初めて猛烈な痛みを感じた」

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