かつて原爆を投下した国の指導者であるオバマ氏が、碑の前で、わがこととしてその主語に「人類」を当てはめたのでは、そんな想像さえした。
ただ残念なのは、大統領の任期が残り少なくなってからの訪問になったということだ。そのためショーや、花道作りと見る向きもある。せめて大統領に就任し、核軍縮を訴え2009年にノーベル平和賞を受賞した最も勢いのある時期に来てくれていれば、と思わずにいられない。
編集作業に携わった28日付朝刊を開いた。原爆ドームとともに写真に写るオバマ氏。それでも、核兵器廃絶への道のりが果てしないことは分かる。
ただ、これだけは信じたい。ここまでに71年の歳月が必要だったのだとしても「歴史は動いた」のだと。