26日開幕した伊勢志摩サミットで、先進7カ国(G7)は、ダンピング(不当廉売)で世界経済の安定を乱し、南シナ海の軍事拠点化などで安全保障を揺るがせる中国に対し、法に基づいた措置を打ち出して鉄槌(てっつい)を下す。サミットへの警戒心を隠さない習近平政権だが、国内の経済不振が続くなか、経済改革をめぐる李克強首相との路線対立で混迷を深めている。(夕刊フジ)
27日に出される首脳宣言の貿易分野では、世界経済の重しとなっている鉄鋼の過剰生産を是正するため、必要に応じ対抗措置を検討すると明記される見通しだ。
中国政府は、競争力がなく本来なら存続できない製鉄所を補助金などで支えていると指摘されており、名指しこそしないものの「市場を歪曲(わいきょく)する支援を懸念する」と見直しを求める。
是正されない場合は「世界貿易機関(WTO)ルールと整合する形で幅広い貿易政策手段や行動を検討する」と強調。高税率の反ダンピング関税などを発動する可能性を示した。
日米主導の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効に向けた各国手続きも後押しする。日本と欧州連合(EU)が交渉中の経済連携協定(EPA)については「16年のできる限り早期に大筋合意を実現するとの強い決意を歓迎する」と言及した。