大阪・ミナミの繁華街で昨年5月に行われた不発弾の撤去作業をめぐり、処理費用約580万円を支払った土地所有者が、同額の返還を求める訴訟を大阪地裁に起こしたことが分かった。所有者は「太平洋戦争で投下された不発弾は、戦後処理の一環として行政が処理責任を負うべきだ」と主張している。
不発弾は大阪市浪速区のマンションの建設現場で見つかり、信管が残った状態だったため、自衛隊が昨年5月9日に撤去。作業の際は南海難波駅南側の一帯など不発弾から半径300メートルを立ち入り禁止とした。
訴状などによると、撤去に先立ち、市は所有者側に土(ど)嚢(のう)の設置や周辺警備にかかる費用計約580万円を請求。所有者側は周辺住民に危険が及ぶのを避けるために負担したという。
市危機管理室によると昭和30年以降、市内で見つかった不発弾は87個。25日に開かれた第1回口頭弁論で市側は争う姿勢を示した。