話題の肝

「ロスジェネ世代」と「ゆとり世代」の間は…「名前のない世代」と呼ばれる彼らの葛藤を追った

 「僕らの共通言語は『ジャンプ』で終わっている。つまり、少年時代までなんです。それもブームを支えていたのはひとつ上、『団塊ジュニア』や『ロスジェネ』の人たち。僕らはそのおこぼれにあずかっただけ。それ以降、僕らは『誰とでも話せる言葉』を失いました」(佐藤さん)

思春期にネットに触れた

 「共通言語」が失われた理由は、嗜好(しこう)や興味の「細分化」だと佐藤さんは言う。95年の「Windows95」の発売により、急速に普及したインターネットは、情報の流通量を飛躍的に増大させた。「流通する情報が増えても、人が処理できる情報量は変わらないので、自動的に興味にそって細分化してゆく。思春期にネットに接した僕らは、世代に共通する言葉をその後はもてなかった」

 そのネットも、巨大掲示板「2ちゃんねる」に代表される冷笑的な空気を作ったのは「ロスジェネ」であり、SNSでそこに新風を吹き込んだのは「ゆとり世代」。そこに挟まれた彼らは、これらを使いこなしながらも、自ら「何か」を作り出すことはしていない。

 「僕らの世代に共通する何かをあえて言葉にすると、『閉塞(へいそく)感』という月並みな言葉、ただの記号になってしまう。みんなが感じているのは『何となくもやもやした気持ち』でしかないからです。言葉にならないものに名前をつけることはできない」

彼らの時代は「これから」

 彼らには、全員に通じる「共通言語」がない。佐藤さんは「既存の世代論で語れない初めての世代」と語る。

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