野口裕之の軍事情勢

習近平氏の傲慢無礼の数々にエリザベス女王もおかんむり…だが増長させたのは英政府ではないのか?

 日清戦争(1894~95年)→義和団事件(1900~01年)→日露戦争(1904~05年)→第一次大戦と、国際法を順守し、暴力的大国の出現を阻止し、東アジアの安定に貢献したわが国の東アジアにおける権益・影響力を葬らんとしたのである。国民の多大なる犠牲の下に獲得した当然の権利を蹂躙したのである。

「属国に気前よく金品を与える習近平皇帝陛下」

 既述したが、ワシントン会議には日英中米の他、オランダやフランス、ベルギーも参加した。いずれも、太平洋やアジアに権益を有した国だ。李首相に先立ち2014年3月、習氏はオランダやフランス、ベルギー、ドイツを訪れた。李首相が《総督》なら、主席就任後初めて欧州を歴訪した習氏は「皇帝」だった。

 オランダとベルギーの国王がおのおの開いた晩餐会に、習氏はドレスコードなど眼中にないかのごとく人民服で臨んだ。フランスとドイツでは中国との経済関係がいかに有益かを上から目線で説諭。「属国に気前よく金品を与える皇帝」を演じた。

 とりわけドイツで、「習皇帝陛下」は中英間の「アヘン戦争以来、列強に奴隷扱いされた歴史の悲劇」に触れた。

 アヘン戦争後、英国が中国と交わした不平等条約を手本とし、列強は同様の条約を次々に結んだ。経済支援に、この「中国・欧州関係史」をまぶし、「富が欲しくば、国内の虐殺・弾圧や軍事拡大に口を出すな」と言葉には出さず凄みを利かせる、サディスティックな復讐劇の幕開けであった。

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