牧阿佐美バレエ団が創立60周年を記念し、相次いで代表作を上演する。6月は縁の深かった仏振付家、ローラン・プティの「ノートルダム・ド・パリ」、8月は奈良を舞台にしたオリジナル作品「飛鳥」を新たに制作し、初演する。日本バレエ界のレベル向上に生涯をささげてきた牧は「60周年を迎えるとは想像していなかった。日本と海外の、牧らしい作品で節目を迎えたい」と話す。(飯塚友子)
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牧は日本バレエ界の草分け、橘秋子(1907~71年)の長女に生まれ、ダンサーとして活躍。米国留学後の昭和31年、母とともに牧阿佐美バレエ団を設立し、数多くの作品に主演した。母の没後は橘バレエ学校長としても多くの舞踊家を育成。新国立劇場の芸術監督(舞踊部門)も長年務めた。
「民間のバレエ団ですから解散の危機も何度かあった。でも、自分の名前を冠したことで責任が生まれ、頑張るうちにここまで来られたと思います」