銚子市が行革大綱策定に着手 厳しい財政、課題浮き彫り

 銚子市は財政危機を回避するため、行政改革大綱(第7次)の策定に着手した。人口減少が進み税収減が見込まれる中で約300億円の市債残高を抱え、厳しい状況にある財政の健全化に向けた取り組みとなる。市は行革により今後見込まれる累積赤字を平成30年度には解消できるとするが、大綱案を議論する市行財政改革審議会の委員からは、「必要な事業を先送りにしているだけ」といった指摘や、歳入面の楽観的な見通しを危惧する声が出るなど、さまざまな課題が浮き彫りになっている。 

 市の行改大綱は第6次(平成20~24年度)以来の策定。新大綱では29年度から5年間の実施項目を定める。18日に市役所で開かれた審議会の初会合では、委員から総額約300億円の市債残高を懸念する声が相次いだ。

 重くのしかかっているのは、千葉科学大の建設費助成金44・5億円▽市立銚子高校整備費37・8億円▽学校給食センター整備費10・8億円(いずれも26年度末時点)-といった大型事業に伴う市債だ。大塚成男委員(千葉大大学院教授)は「銚子市は26年度に4億円の利子を払っている。300億円の借金が財政に影響を与えており、ここを長期的に考えていかないと健全化は図れないだろう」と指摘した。

 また、市は昨年8月時点の財政収支見通しで、31年度末までに累積赤字が約12億6千万円に上ると推計したが、その後、行革を進めることで30年度末には累積赤字が解消されるとした。こうした説明に対し、委員からは「退職手当一般負担金の減額や、老朽化した公共施設の建設費抑制など、必要な支出を単に先送りしているだけだ」「人口が減っていけば交付税はさらに減る。楽観的な見通しではなく、現実的な数字に基づいて議論を進める必要がある」といった意見が出た。

 このほか市内では、耐震性不足に加えて津波浸水想定区域にある市庁舎の移転新築▽少子化に伴う中学校統合整備▽旭、匝瑳両市と進める広域ごみ処理施設整備の負担金-など、31年度までの推計には計上していない課題も山積している。

 審議会は市長の諮問機関として設置され、市内外の学識経験者や有識者ら5人が委員に委嘱された。委員らは市が作成する大綱案について、市政の課題を洗い出し、改革の方向性を検討しながら審議する。市民からの提案も反映させ、11月に大綱を決定、公表する。

 越川信一市長は「とても健全財政とはいえない状況にあるのが現実の姿。更なる行財政改革が求められる中、厳しい議論をいただきながら大綱を策定したい」と話している。(城之内和義)

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